吹奏楽団に集まる色々な人々~コンクールと昔話~

2021年10月12日

(2021.10.12 加筆修正)

見学者の受け入れを再開してから、ありがたいことに多くのお問い合わせをいただき実際に練習にもご参加いただいています。

見学者さんからの質問で時々あるのは、「コンクールには出ているんですか?」というもの。

そういえばHPの楽団紹介にはあえて明記していませんでしたが、実はコンクールについてどう向き合うかというのは、この団ができるときに考えて考えて考え抜いたことでした。
以前ブログ記事でその結論を書いたことがありましたが、改めて楽団紹介のところに載せることにします。詳しくはこちらのページの下のほうを参照してください。

もう秋というのになんだか暑いですね。過ぎた夏は吹奏楽コンクールの時期でもありましたが、ちょっと昔話と管理人の独断と偏見にまみれた話をしたいと思います。

昔々(といってもたいして昔ではない)、よこはま吹奏楽団の前身となる楽団があったのですが、そこは「コンクールで金賞をとる」というのを目標に掲げていました。
母体となる学校があるわけでも、有名な指揮者がいるわけでもない、ほとんど団長一人の状態から始まったその団は、とにかく奏者を集めることが第一の目標でもありました。(人がいないと合奏できませんからね)

人が集まらないとできない活動の場合、目的は大事です。
同じ目的を持った人達が集まらないといい活動ができません。
この団の場合、「コンクールで金賞をとる」という明確な目的があったわけです。

管理人はただの一団員で、様子をずっとみてきましたが入団してくる人は主に4種類くらいでしょうか。

①「コンクールで金をとる」という目標に惹かれた人
②新しくできた楽団だから来た人
③とりあえずどこかで演奏したかったから楽団を探していて、たまたま来た人。
もしくは、他の楽団では自分の担当楽器が募集されていなかったから来た人
④知り合いに誘われたから来た人

ちなみに②の「新しくできた楽団だから来た人」は、さらに2種類に分かれます。
A:歴史の長い楽団はお局的存在がいる可能性が高く人間関係が面倒そうだと思った。もしくは新しい楽団のほうがまだ深い人間関係が構築されてないので入りやすい
B:数々の楽団を転々としてきたが、長続きせずたいていの楽団には入ってしまったので新しいところを狙っていた(※転勤等で転々としてる場合は別)

このBがなかなか難しくてですね。
ひとつの集団で長続きしない何らかの原因を抱えている…と言えばまあ、想像はつきますよね…。

①「「コンクールで金をとる」という目標に惹かれた人」も2種類いました。
a:学生時代コンクールでいい賞をとったことがなかったから、できたら一度くらいはとってみたいな~と思っている人(そこまでこだわりは強くない)
b:とにかくコンクールでいい賞をとりたい人(むちゃくちゃこだわりが強い)

で、ここからが管理人の独断と偏見まみれな話になりますが・・・
bにあたる人の中には一部、精神的な問題を抱えている人も潜んでいるように感じます。

(あくまでも管理人の少ない経験値からの独断と偏見ということでお読みください。)

精神的な問題とは何か。
それは簡単に言うと「承認欲求が激しい」ということです。
自己肯定感の低さから他人に承認されたいという欲求が強くなり、わかりやすい評価を欲しがるのです。
具体的に話を置き換えると、
【自分に自信がない】
→【楽器を吹くことで自分の存在を認められたい】
→【コンクールで良い賞を獲れたら自分の価値も上がる】
というかんじです。

こういう人がコンクールの結果に執着するのはなぜか。
それは良い賞が獲れないと自分の価値が下がって不安になってしまうからだと思います。
「吹奏楽」という世界で自分の価値を維持できないと、自分の存在価値が揺らぐのです。
(でも、本人にそういう自覚はないんだと思われます)

良い賞獲れたら誰でも嬉しいでしょ、というのは確かにそうです。
が、精神的に安定している人との違いは、こだわりの強さ・執着の強さに表れます。
また、こういう人は他人にも攻撃的なことが多いです。

管理人が過去に会ったことのある人で、「不気味だな」と感じたのは
少し楽器が上手に吹けるだけでとても偉そうな態度でいることや、知識をひけらかそうとすること。
それは奏者だけでなく、「指導者」と呼ばれる立場の人たちにもいました。

そんな人たちを見て、管理人が思っていたのは
「プロでもそんな偉そうにしないはずなのに(むしろ本当の厳しさを知ってるプロは謙虚だと思う)、たかが素人がなぜこんなに偉そうにできるんだ…。恥ずかしい…謎すぎる…。そしてなぜいい年齢の大人がこんなにも情緒不安定なんだろうか」
ということでした。(そういう人たちはだいたい感情の起伏が激しく、自己中心的です)

自己中で他人に攻撃的な人がいると些細なことでトラブルが起きやすく、お互いに気持ちよく音楽活動できなくなります。
吹奏楽のような集団活動、ましてや一般団体では演奏以外の部分でもお互いに助け合う精神が必要です。

・練習場の確保(予約や支払い)
・練習計画
・楽譜購入、準備
・打楽器の運搬(車の運転、倉庫の搬入搬出)
・練習場所での準備片付け
・演奏会等の準備(進行表や司会原稿、チラシの作成等)
・・・などなど。ざっと挙げてみても色々あります。

分担は決めるとしても、いちいち指示されないと動かないようなメンバーばかりでは中心で動く人たちはしんどいものです。
練習場所の準備片付けなんかも、状況を見て積極的に動くというのは自己中な人にはできないことです。

自画自賛みたいになって恥ずかしいですが、現在のよこはま吹奏楽団は練習場の準備も片付けも早いです。
(木管は片付け時間かかるので時々おしゃべりに花が咲いてますが!(笑))
指示がなくても、ほとんどの人が積極的に素早く動いて必要な作業を済ませます。
年齢とか楽団所属年数とか関係なく、団員全員が動きます。

よこはま吹奏楽団の理念は「楽団について」のページで紹介していますが、
真摯に音楽を「楽しむ」ために、演奏技術はもちろんのこと、それ以外についても言及しています。

<人間関係>
団員同士が良い関係を築く。当事者意識を持ち、団全体のことを考え、チーム作りに貢献する
<心構え>
謙虚な姿勢で、素直に、感謝の気持ちをもって

指揮者の足立先生もおっしゃっていますが、
「良いチームは放っておいて勝手にできるものじゃない。全員が作ろうと思って行動しないとできない」
のです。一部の中心人物が作れるものでもありません。

集団活動を気持ちよくするために、自分に何ができるか。
裏方で頑張って動いてくれている人の苦労を慮ることができれば、「じゃあ自分にできるコレをがんばって役に立とう」と考えることができます。
全員がそういう心構えでいたら、いろんなことがスムーズに気持ちよくできるわけです。

正直、管理人は今のよこはま吹奏楽団の団員みんなに対して、
「よくここまでいいメンバーが揃ったな」
と思っています。
オイオイ、自画自賛かい!!と思われても仕方ないですが事実です。
前身となった別団体で、いろんな人達を見てきたので余計にそう感じます。

だからこそ、これから入団してくれる人達も、同じように団体理念を理解し実行できる人に来て欲しいと思うのです。

 

今回の話は、ごく一部、コンクールに異常な執着をみせる人がいる、というのを見てきたことを受けて、管理人の乏しい経験と知識と頭で個人的に考えたことです。
吹奏楽に限らず、何かに異常な執着をみせるのは自分の何か足りないものを埋めようとしているせいかもしれません。
どんなジャンルでも承認欲求の話題はよく挙がりますし、誰でも持っている当たり前の欲求です。が、その度合いが他人に攻撃的になるところまでいくと、う~ん…ということです。

そして、誤解を生んでほしくないと思いますが、コンクールもコンクールに参加する人も否定しているわけではありません。
きっとコンクールで良い賞を獲っている楽団で楽しく活動されている人達はいっぱいいるでしょう。時間のない社会人が音楽を練り上げている姿、本当に尊敬します。
管理人も高校時代にがつがつとコンクールに臨んだので、ああいう場しか得られないものがあることもわかります。一音入魂的な緊張感の中で仲間たちと音楽を作る快感は確かにあるし、ある程度の結果が出た時は、自分だけの喜びではなく皆で分かち合える喜びとして大きな感動もあったと思います。
が、個人的には大人となった今は「あれはもういいや」という気持ちです。
(とにかくあれをやるにはエネルギーと時間が必要なんですよ…!)

 

そういえば、「コンクールに出るために吹奏楽をやってる」という人もいました。
コンクール以外は興味ないので他の本番には消極的だったり、コンクール期間が終わったら「ハイサヨナラ~」と即退団する人も。
そういう人はとりあえずコンクールに出たいので、団の理念とか無視して入団してきちゃうんですよね…。

日本の吹奏楽の一大イベント=コンクールという印象なので、吹奏楽=コンクールという考え方が多くなっても仕方ないのかもしれません。たぶん、吹奏楽経験者にはコンクールの存在はどうしたって大きいんだと思います。
でも、音楽の楽しみ方はそれ以外にもあります。

大人になって、どんな音楽をやりたいか。探せば色んな選択肢があります。
アンサンブルオンリーでやっている人達とかも楽しそうです。
人の好みは千差万別ですし、自分に合うなと思う場所でそれぞれ楽しく音楽活動ができたらいいですよね。

よこはま吹奏楽団は”ウインドアンサンブル”を目指しながら、毎回の練習を楽しんで活動していきたいと思います!

 

~おまけ~

今回の文章中に登場した「慮る」という言葉。
Q、読み方と意味は?

答えは次回!

 

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