吹奏楽コンクールを考える ~大人の音楽の楽しみ方って?~

コンクール参加人口の多い横浜 

涼しく長かった梅雨も終わり、急に暑さがやってきました。

世間は夏のコンクールシーズンです。
SNSなどでは「コンクールに向けて猛練習中です!」「コンクールのためにホール練習です!」
といった投稿が多く見受けられ、結果の報告などもたくさん載っているようです。
横浜はコンクール出場校も多いです。
例えば、今年は中学校A部門B部門共に別の場所でそれぞれ三日間かけて開催され、
Aは合計57校、Bは合計77校も出演しているそうですよ!!??
ほんとにすごい数ですね (゚Д゚;)
吹奏楽連盟やスタッフの皆様、本当にお疲れ様です。

よこはま吹奏楽団 常任指揮者の足立先生は横浜吹奏楽連盟の理事長なので
クタクタになっていることでしょう・・・

よこはま吹奏楽団はコンクールには出場しませんので、
現在はもっぱら夏のいくつかの本番とオータムコンサートに向けて猛練習中です。

横浜市一般吹奏楽 団員募集中

よこはま吹奏楽団の活動は、主に年二回の演奏会。
その他、地域のイベントなどに出演させていただいています。

この団が始動するとき、
日本の吹奏楽の世界で当たり前のようにある ”コンクール” にどう向き合うかを考えました。
神奈川の一般吹奏楽団はたくさんありますが、一般バンドの活動方針は様々です。
コンクールで結果を出すことを重視して週2回も活動しているところや、
完全初心者でもOK、活動は月1回というようなところもあるようですし、
本当に色々です。

趣味の音楽活動。あなたは何を大切にしたいですか?

どんな演奏をしたいか。何のために音楽をするのか
を考えたときに、
①奏者自身も”いい音楽だ”と思える演奏をしたい
②聴いてくださる方の心に響くような演奏がしたい
③毎回の練習を団員が”楽しい”と感じてリフレッシュの場になってほしい
④演奏技術や人間性が成長できる場になってほしい

という点があがりました。

経験がある人はわかると思いますが、
演奏をしていて、奏者が感動できる瞬間というのがあります。
ハーモニーが美しく決まったときや
全員のタイミングがピタッとそろったときなど。
精度を上げた演奏ができたときにしか感じられない喜びですが、
1人だけでは作れないものが良い形でできたときにこそ
「ああ、音楽っていいなあ」
と感じるのではないでしょうか。

もちろん、ポップス曲をワイワイと演奏するのも楽しいことの一つです。

ただ、よく言われるように奏者が「楽しい」「いい音楽だ」と思っていても
聴衆からすればあんまりよくない、という場合もあります。
そうなってしまうと、自己満足だーとか言われちゃうんですよね。

横浜市一般吹奏楽 団員募集中(この時の練習にはトロンボーンの見学者さんが来てくれましたよ~!いい色の楽器ですね!)

趣味なので、自己満足は最高だと思います(笑)(高慢はダメですが)
でも、客観的に自分たちを見つめることでさらにいいものができるならそのほうがいいですよね。

目に見えない「音楽」を点数化しているのがコンクールです。
点数化されていれば目標が立てやすく、まわりからも理解されやすいです。
コンクールがなければ、学校の部活がモチベーション高く活動するのも難しいかもしれません。

神奈川県(特に横浜市)では、吹奏楽活動がとてもさかんだと感じていますが
コンクールに打ち込む中学校高校が多いおかげで
高い演奏技術を持った人たちがたくさんいるのだと思います。

そして、学生時代にコンクールに打ち込むからこそ、
”上手な演奏をするバンド=コンクールで良い結果を出すバンド”
という認識が定着します。
一般吹奏楽団として活動するときに、「いい演奏がしたい」となったら
コンクールに出場するのが自然なことのように思われます。

でも、よこはま吹奏楽団は出場していません。
なぜか。

それは、コンクールに出場しなくても
良い音楽を作れる指揮者とメンバーに恵まれているからです。

横浜市一般吹奏楽 打楽器募集中

”良い音楽”の定義もいろいろでしょうが、
「奏者自身が”いい音楽だ”と思える演奏」「聴いてくださる方の心に響くような演奏」
をするのであれば、音程が良くて表現の幅があって…というように色んな技術が必要です。
ピンとこない人は、カラオケを想像してください。
感動する歌って、音痴なことはまずありえないですよね。
フレーズがぶち切れだったりすることもなく、良い声で、良い響きで歌っているから感動するわけです。
かといって、カラオケマシンの採点で高得点でも「もう一度聞きたい」歌かどうかは別ですが。

練習回数の少ない社会人バンドで、いくら指揮者がダメな点を指摘したとしても
そうそう変わるものではありません。
「おまえは音痴だ!直せ!」
と言われて、すぐ直るなら苦労しません。

奏者の基礎的な技術と、限られた時間の中で音楽をまとめ上げていく指揮者の力があってはじめて、
良い音楽ができます。
この楽団は母体はありませんが、指揮者の足立先生の教え子が多かったり
偶然ブログを見てやってきてくれたメンバーも技術の高い人が多かったりで
けっこう力のある奏者が集まっているように感じます。
ありがたや~

横浜市一般吹奏楽 クラリネット募集中(クラリネットも新しい仲間が増えました♪ 見学中の方もいます!…ホワイトボードに♡落書きしたの誰だ…)

コンクールに出場するのもいいと思います。
でも、結果を求めて演奏することには魅力を感じません。
コンクール会場では興味を持って聞いてくれるお客さんもあまりいませんしね…。

それより、地域のイベントで演奏して少数の人だったとしても楽しんでもらえた方が嬉しいです。
また、コンクールに出場するとなると2、3か月は集中して2曲(課題曲と自由曲)にとりくむことになりそうですが、出場しなければ他にたくさんの曲にとりくめます。
学生時代、コンクールに打ち込んだ人はわかるでしょうが・・・
あれ、結構エネルギー必要ですよね(笑)
高校三年間とか、短期集中型だからこそ打ち込めるわけで、社会人になったら結構しんどいというのも本音です。
コンクールは減点方式だと聞いたことがありますが、点を削られないようにするための演奏は正直疲れます。

横浜市一般吹奏楽 団員募集中(この日は先生がハズ〇ルーペをかけてました。レンズが光ってる・・・!)

そういえば、だいぶまえに吹奏楽をよく知らない人が
「コンクールって競技でしょ?」
と言っていたことに、ものすごく違和感を覚えたのを思い出しました。
「音楽って競技なんだろうか」 と。

 

話があちこちとびますが、以前、ドイツに行っていた人が
「ドイツの村でやってるお祭りでは、一日中お酒飲みながら楽器の演奏に合わせて踊ってるんだよ。
おじいちゃんおばあちゃんも楽しそうに踊ってたよ」
という話をしてました。
それを聞いたとき、なんとなく、
日本の吹奏楽の世界は、音楽の楽しみ方がすごく狭いような気がしました。

横浜市一般吹奏楽 団員募集中

別に、音楽の楽しみ方はなにが正解ということはありません。
でも、純粋に楽器を吹くのが楽しくてはじめた中高生が、
たまたまそこに居合わせた指導者によって「コンクールで点をとることが全て」のように教え込まれ
理不尽な指導を受け、音楽が辛いものでしかなくなってしまったら悲しいことです。
(コンクールに出ても楽しくやれているところもあります。ただ、そうじゃないケースも多いという話。)

社会人は日常の苦労も多いですが、演奏の時間が楽しくて、週末のリフレッシュになったらいいですよね。
人生の楽しみの一つとして、息長く音楽を楽しんでいけたらいいなと思うのです。
もちろん、人間関係も大切に (^_^)

というわけで、よこはま吹奏楽団は
”ウインドアンサンブル”を目指してコツコツ練習を重ねています。
(ウインドアンサンブルとは→こちらをご覧ください

上手な演奏はプロを聴きに行けばいいことなので、
アマチュアの我々は味のあるサウンドと雰囲気を作っていきたいものです。

オータムコンサート2019 チラシ完成!!

さてさて、急に話が変わりますが・・・
お待ちかねのチラシデザインができました!!!
いや~、今回も素晴らしいデザインですね!!!

横浜市一般吹奏楽 団員募集中

2019年11月2日(土)
開演:15:00 (開場14:30)
場所:フィリアホール(横浜市青葉区民文化センター)
<アクセス>東急田園都市線「青葉台駅」より徒歩3分

ミュージカル「レ・ミゼラブル」や「吹奏楽のための第1組曲(ホルスト)」など、名曲を演奏します。
映画化で話題の「アラジン」の曲や、スウィング・ジャズの代表的存在として知られる
ベニー・グッドマンのメドレーもありますよ♪

前回の演奏会チラシデザインに多くのお褒めの言葉をいただきましたが、
今回もデザインは我が団の才能あふれる美大生団員にお願いしました。
学校の課題で忙しいなか、なんとかスケジュールを詰めて完成させてくれて・・・
本当にありがとうございます!!!\(^o^)/

このチラシのおかげで、今度のオータムコンサートも
なんだか良い演奏会になる予感しかしないですよ~

皆さまどうぞお楽しみに!!
これまでとは開演時間が変わっていますのでご注意くださいね~

秋の演奏会前は見学の募集を一時停止しますので、見学者さんの受付は8月中旬頃までです。
募集停止パートも増えてきていますので、是非お早めにお問合せ下さい。
詳細はこちら(団員募集について)から!
早く見学してみたい!という方は こちら(見学お問い合わせ)から!

お待ちしています (^o^)丿