楽器のブランクと基礎練曲練の割合

前回の演奏会が終わってから、新しい仲間も増えたよこはま吹奏楽団です。

社会人バンドでは「学生の時以来吹いていないのでだいぶブランクがあって…」という人も多いのですが、ご本人が「すごくブランクがあるんです」と言っても、それを言っているのが仮に20歳の人だとすると高校生まで楽器を吹いていたとして約2年程度のブランクです。

2年?

そんなのは「すごいブランク」のうちには入りません。(独断と偏見)

管理人は約10年程度ブランクがあり、楽器はカビが生えそうな勢いで部屋の片隅に眠ったままでした。
もう楽器の持ち方も忘れていそうな状態ながらもまた吹き始めた時は、とにかくいろんなところがプルプルしていましたね。

まず楽器が重い。手がプルプルする。
音が長くのばせない。口がワナワナする。
休み休み吹いているはずなのにすぐゼエゼエする。
そしてそんな自分にイライラ。

あぁ、学生の時はあんなに毎日吹いて音だってマトモに出ていたのに…!

 

昔吹けていた体験があると現在の状態がひどすぎることは自分がいちばんよくわかっているので、情けない気持ちになるし周りにも申し訳ない気持ちになるしでへこみまくりでした。

社会人は週一回程度しか吹く時間をとれないので、ブランクから抜け出してある程度吹けるようになるのも時間がかかります。まず体力がそんなすぐには戻らないというか、楽器を吹くときの息の使い方とか、感覚を取り戻すのには時間がかかりますよね。

最近入団してくれたメンバーもブランクがあるという人がいましたが、焦らずに少しずつ取り戻していってもらいたいと思います。気持ちばかり焦って楽器吹くのがつまらなくなってはもったいないですからね。

(いつもニッコニコ演奏している打楽器Oくん)

 

さて、最近トロンボーン団員から聞いた話。
アマチュア奏者がプロ奏者に「60分あったらどういう練習をするのが良いですか?(意訳)」という質問をしたそうです。

プロ奏者の回答は「50分基礎練習。曲練習は10分。」

 

な、なるほど~ (;´・ω・)
改めてそう聞くと基礎練習がいかに大事かと言うのを再認識しますね。

練習時間が限られている社会人は、つい曲練習をしてどうにか形にしなければ、という気持ちが先行しがちです。
曲練習をしながら基礎的なことを確認したり、曲の一部を使った基礎練習なんかもできますが、じっくり基礎練習に集中する時間って正直あまりとれないです。

よこはま吹奏楽団は合奏のはじめに基礎練習をしますが、この半年以上ず~っと指揮者に指摘されているのは『音を最後までまっすぐのばす』という非常にシンプルなこと。ロングトーンの終わり部分がどうしても息の支えがなくなってピッチが維持できない、音量・音圧が弱くなる、「へにょっ」としたかんじになってしまうのです。

この、とても単純そうに思えることが実は一番難しいというか、『しっかりした音をまっすぐのばす』というのは簡単なことではないのだなと感じます。
ブランクから楽器演奏を再開したときに一番できなかったのがこれでした。
しかし現在でもロングトーンを完璧にできているのかというとそうではないわけで。
う~ん、ロングトーンは難しい。

個人練習時間なんてなかなかとれない社会人が多いと思いますが、たまにはひたすら基礎練習をする時間を一時間だけでも作ってみるのもいいかもしれません。一時間基礎練習をしてもそれが目的意識もなく惰性でやっていては意味がありませんが、しっかり意図して練習することが大事です。

そして、できれば自分の音がよく聴こえる一人の状態でやるのがオススメ。
自分の音をよく聴いて「今のはよかったな」とか「今のはダメだな」とかいちいち反省会しながら練習する時間もいいものです。

考えすぎるとドツボにはまって「なんてヘタなんだ!どうしようもないぜ!」となってしまうので、ほどほどのかんじで調整することも大事。ロングトーンのやりはじめは音がフラフラしてまっすぐきれいにのばせなかったとしても、ひと通りやってみて、他の基礎練習も色々やって、一時間後にもう一回ロングトーンやってみたらはじめにやったときより息が通るようになってまっすぐした音が出た、とか、わりとありませんか?

完璧さを求めすぎると辛いので、そのへんはほどほどに、でも目的意識は大切に。ってところでしょうか。
基礎練習はつまらんと思われがちですが、たまにはしっかり向き合ってみることも大事です。

 

 

前回記事でお知らせしていますが、来年2024年4月の演奏会「足立昭夫還暦記念演奏会」のスタッフを募集しております。関係者の皆様、ご協力どうぞよろしくお願いいたします!

詳細はコチラ