演奏のクセと音の時差

新年度になりました。
4/4刊行のタウンニュースに演奏会情報が掲載され、続々と演奏会のご予約が増えております。広報係が色々と調整してがんばってくれたおかげです!

新しい生活がスタートする人もいることと思いますが、高校や大学では「新勧」と呼ばれる新入生の勧誘競争が部活・サークル同士で勃発している頃でしょうか。
新社会人になった方は、ぜひ仕事以外の趣味の時間やコミュニティも持つことがおススメなので、楽器をまたやろうかな~という横浜人は当団もぜひご検討ください。(だいぶ募集パートは減ってきました!)

さて、4/21演奏会まであとわずか。
練習も大詰めですが曲の仕上げ段階に入っているからこそしみじみと感じることは

「クセってこわい」

ということです。

よこはま吹奏楽団は、ちょ~っと楽譜にかじりつきすぎなメンバーが多いようで、あまり指揮を見ていない現象が起きていました。ここ数回の練習で足立先生に何回「指揮見れるかな」「指揮に合わせて吹いてみて」と言われたことか…。うぅ情けない ( ;∀;)。

本当は楽譜を見なくても大丈夫なところでも、「楽譜を見る」ことが習慣化しているとクセになり、無意識のうちに顔が楽譜に向いてそういう姿勢になってしまうんですよね。意識的になおさなくては!

曲の表現方法については練習の中で指揮者からアドバイスをもらいますが、言葉では表現しきれないニュアンスやタイミングなどは指揮に表れています。ちゃんと指揮をみていると、「音楽の流れが変わったな」とか、「もっとクレッシェンドが必要だな」とか、「いまは”伴奏が大きすぎるから抑えて”っていう指示を出されているな」とか、「ここはやさしいニュアンスなんだな」とか、いろんなことがわかります。

指揮で表現されることは言葉の表現よりも感覚的に伝わるもので、それを汲み取るのも奏者に必要な力です。

もうひとつ、クセってこわいなと思うのは、「耳でなんとなくテンポを合わせている」という点。

ふだんの練習場所が狭いと、指揮者と奏者、奏者同士の距離感も近く、打楽器とも近いので発音のタイミングは「聞こえてくるテンポに合わせてなんとなく」でクセがついてしまった人もいるようです。
大きなホールで吹いてみると音の聞こえ方が全然違くて、狭い場所との違いに驚きますが本当はいつも広い場所で練習できたら良いですよね!そんな贅沢はできないのですが…

広い場所では奏者同士も距離が離れていたり、反響時間の違いなどがあるので、たとえば普段狭い場所で「スネアのきざんでいるテンポを聞いて合わせる」クセがついていたとしたら、大きなホールでそれをやるともうめちゃくちゃになります。
なぜなら、自分の耳にスネアの音が届くのはスネアが音を発した瞬間よりも遅いため、それを聞いてから自分の音を出すと完全に遅く、指揮者が求めているテンポと合うはずがないのです。

東京佼成ウインドオーケストラの「奏法Q&A」のページで、これについての話が載っていました。
こちらは打楽器の方へのアドバイスですが、管楽器も同じことだと思います。経験しないと正しい感覚をつかむことはなかなか難しいことですが…。ただ、常に「聞こえてくる音に合わせるのはダメ!」っていうことは肝に銘じて、指揮の打点に合わせられるようにしたいです。

…と、テンポの一体感と安定感を出すことが現在のよこはま吹奏楽団の課題のひとつと言えるのかな、という状態ですが、練習では足立先生がこんなことを言っていました。

「キッチリそろえることばかりを考えて”死んだ音楽”になってしまうのは残念なこと。ひとつのことにとらわれるあまりに、ちぢこまった演奏になるよりも、音楽の流れを大事にしてたくさん表現をしてほしい。もちろん、あまりにもズレてしまうのは困るけど、どうしたら良いかはとても単純です。指揮をみて、一緒に演奏を作りましょう」

と。

奏者にとって、気を付けたいことはいっぱいありますが、頭で考えすぎるとうまくいかなくなることもありますよね。(考えたほうが良い時もありますけどね!)
指揮者にこんなふうに言ってもらえると、肩に入っていた力がちょっと抜けて良い方向に進めそうです。

 

演奏会は、おかげさまで残席数も少なくなってきました。
繰り返しになりますが、事前予約で座席が埋まると当日券は出ませんのでご注意ください。また、仮に当日券が出ても座席のご希望は承れません。お連れ様と隣同士の席にすることもできませんので、来場をご検討の方は必ず事前予約をお願いいたします。

「予約できた!」と思っても、予約ができていないケースもあるようです。
必ず「チケットリスト」より座席ごとのQRコードが表示されるかご確認をお願いいたします。

※予約期間は2024年4月17日(水)23:59までの予定ですが、座席がなくなり次第終了となります。
ご検討中の方はお早めにお願いいたします!