偉大なコンサートマスターが尊敬する存在とは

緊急事態宣言が解除となりましたが、まだまだ自粛の日々は続きそうですね。
楽団のほうも6月いっぱいは休止せざるを得ません。
家で過ごす時間も多い今、皆さんはどのようにお過ごしですか?

これを機会に新しいことを初めてみた、という人もいると思いますが中には語学の勉強を始めた人もいるかもしれません。
日本語は難解な言語だと言われていますが、日本人の我々からすると外国語もたいそう意味不明です。
ひとつの言葉に複雑なニュアンスが込められているものもあったりして、その言葉を作り出した民族性が伺えたりします。(日本の「わび」「さび」とかもそうですね)

最近Twitterで見かけた情報ですが、「ドイツ音楽を理解するために絶対知っておいた方がいい」と噂されるドイツ語があるそうで…

innig; とても強い想いだが決して外に出さない(打ち明けない)
schwermütig; あまりにも悲しすぎてやる気のない状態
die Zerrissenheit; 決断することができず、自己が壊れゆくこと

というような言葉が紹介されていました。芸術の理解には必要そうなニュアンスが含まれてますね。
アマチュア奏者の場合は、そもそも楽典用語を理解してないことが多いのでまずはそこからスタートですが、名曲を聴いて理解を深めたいときにも役に立つかもしれません。

ほかの言語でも結構おもしろいものがあって、『翻訳できない世界のことば』という本では”他の国の言葉ではニュアンスをうまく表現できない興味深い言葉”を知ることができます。
一例を挙げると…

【メラキ】(ギリシャ語 形容詞)
意味:料理など、なにかに自分の魂と愛情をめいっぱい注いでいる

【サマル】(アラビア語 名詞)
意味:日が暮れたあと遅くまで夜更かしして、友達と楽しく過ごすこと

ついでにもひとつ。
今管理人が購入したいと思っている『なくなりそうな世界のことば』という本では、こんな言葉もあるようです。

【バサーオ】(ポポロカ語 使用地域:メキシコ 話者数:約2万人)
意味:たどり着けないほど遠い(主に心の距離が)

主に心の距離って・・・辛い!!

まあ、とにかく。
海外の文化に触れるきっかけとして、語学の勉強はいいかもしれません。

さて、なぜこんな話をしているかというと…
よこはま吹奏楽団常任指揮者の足立先生は現在ドイツ語を勉強されているようで。(趣味で)
学生の頃から英語が好きだったそうなのですが、ドイツ語も面白そうだからとラジオで聞きながら勉強しているんだとか!

それで、2020年最初の指揮者合奏のとき、ラジオのドイツ語講座のお話をされていました。横浜市 一般吹奏楽団員募集中!

ドイツ語講座に登場したのは、45年間にわたってウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを務めた、ヴァイオリニストライナー・キュッヒル氏。

「最も尊敬する人物は誰ですか?」という質問に対して、
「それは作曲家である」と答えたそうです。

作曲家がいなければ、音楽自体が生み出されない。
どんなに優秀な奏者がいたとしても、曲がなければ演奏することができない。
我々奏者は作曲者の意図どおりに演奏することができるとは思わない(できると思うことは驕りだ)が、作曲者の意図に限りなく近づけるようにすることが大切だ。
そのようなことを語っていたそうです。
(うろ覚えなので間違っていたところがありましたらすみません…)

それを聞いた足立先生は「ウィーン・フィルのコンマスを長年務めたほどの人が、このような謙虚な姿勢だとは…!」と驚いたそうです。
偉大なヴァイオリニストは、やはり考え方も素晴らしいです。
これを聞いてしまうとアマチュアだけでなく、ちょっとプロっぽい人達だって、ああだこうだ偉そうに何かを言うことなんてできませんね。

横浜市 一般吹奏楽団員募集中!

また、ライナー・キュッヒル氏は、指揮者についてこのように語っています。

私はまだ21歳の時にコンマスに就任してしまったので、当時は指揮者の言われるままにしなければならない、それが真理だと思っていました。しかし、その後、いろいろな体験を重ねる中、指揮者はオーケストラのパートナーであって、命令者ではない事を知りました。最初のうちは、指揮者がいなくても音楽が作れるのではないかと思ったこともありました。棒を振ることは誰でも出来ると思ったのです。例えば、マーラーの交響曲でも、オーケストラの各メンバーが楽譜をしっかり頭に入れておけば、指揮者なしでも演奏できるのではないかと思ったのです。しかし、ある時、指揮者なしで演奏しなければならない機会があり、指揮者なしの演奏がいかに難しいかが分かり、指揮者が絶対必要だということを確信したのです。

横浜市 一般吹奏楽トランペット募集中!

指揮者は命令者ではない。
キュッヒル氏はプロの世界の高度な話をされていますが、アマチュアにもこの言葉は響くものがあるのではないでしょうか。
指揮者(もしくは指導者)という立場で、独善的にふるまっている人がいるとしたら、それは残念なことですよね。

横浜市 一般吹奏楽打楽器募集中!

プロの世界は奏者も指揮者も一流なので、優劣はありません。
だからこそ、「指揮者は命令者ではない。」と言えるように感じるかもしれません。

学生の部活動や一般の吹奏楽団といったアマチュア団体は、指揮者(または指導者)の知識量や立場、年齢に対して奏者のそれは圧倒的に劣っていることがほとんどです。
そのせいで、「奏者は指揮者の命令に従うことが当たり前」のように感じ、運悪く威圧的な指揮者にあたってしまった場合には委縮しながら音楽をやることになってしまうような気がします。

横浜市 一般吹奏楽パーカッション募集中!

キュッヒル氏はこのようにも述べています。

指揮者にとって一番大切なのは、パーソナリティだと思います。作曲者の意図が指揮者の中にあるということが私にとってはとても大切なのです。

キュッヒル氏がここで言っているのは、作曲者の意図を指揮者なりに噛み砕いて自分の中に消化してから表現をするという「個性」のことだと思うのですが、アマチュア団体の指揮者はパーソナリティ(特に人柄の意味合いのほう)が重要です。なぜなら、アマチュア奏者のレベルと目的を考えながら音楽を楽しむことが大切だから。
そして、キュッヒル氏が言うような本来の指揮者の役割も忘れず、楽団のパートナーとして全体を導いてくれる存在だといいですよね。

横浜市 一般吹奏楽クラリネット募集中!

「偉大な作曲者」がいるから指揮者も奏者も存在できるわけで。謙虚にいきましょう、ということで。

とはいえ、世の中の吹奏楽部の顧問になった先生達は、音楽大学を卒業していても指揮の勉強をしていた人はほとんどいないはずで、バンド指導の経験なんかないところから始まります。しかも先生方は”本業の傍ら”とも言える状態ですから辛いところですよね。きっと皆さん色んな苦労をして経験を積み重ねていくのでしょう。
たとえ仕事の一環としてやらざるを得なかった指揮者だったとしても、苦労を越えて心から音楽を一緒に楽しめる時がくるといいなあ、と思います。
足立先生も、吹奏楽顧問の時代は長い間大変苦労されたようです。

横浜市 一般吹奏楽団員募集中!

さて。
2020年のスタートからたくさんの見学の方にお越しいただき、団員達は喜んでいました。
特にフィーバーしていたのがホルン!
ようやく!!
待ちに待った!!!
ホルンがきたーーー(∩´∀`)∩

横浜市 一般吹奏楽団員募集中!

いや~もういいですね。
ホルンが並ぶと楽器の美しさが引き立って最高です。

横浜市 一般吹奏楽団員募集中!

クラリネットにも二人見学者さんがきていて、順調に増殖しつつありました。
クラリネットに厚みがでると、サウンドが変わるんですよね。
ありがたや~

そして現在も継続して大募集中な代表がトランペットと打楽器です。
トランペットは少数精鋭(ほんとに上手だと思います)でがんばってくれていますが、やはりもう少し人数がほしいところです。

横浜市 一般吹奏楽トランペット募集中!

正直、トランペットは音色のばらつきや技術差がハッキリしやすいので、パートとしてまとまりのあるメンバーがそろうことは非常に難しいと感じています。
よこはま吹奏楽団が目指す「ウィンド・アンサンブル」は、”必要最小限の奏者による、より繊細でハーモニーを重視した演奏”です。現在1人1パートでがんばっているトランペットメンバーは、そういう意味では非常にクリアでまとまりのある、「ウィンド・アンサンブル」にふさわしい演奏をしているので、指揮者も信頼をおいています。
が!なにぶんスタミナの問題もありまして…
とにかく!トランペット吹き募集中ですよ~

そして。

ずーーーっと大募集している打楽器。
いつも楽しそうに演奏する打楽器メンバーに加わってくれる仲間を大募集中です!
いまは男二人だけど、華が欲しいそうなので(←贅沢)是非女性もきてね!(笑)

横浜市 一般吹奏楽打楽器募集中!

いいコンビなんですよ、この二人。
打楽器二重奏を練習する後ろ姿がなんとも…

横浜市 一般吹奏楽パーカッション募集中!

そういえば、このへんの時期から団内アンサンブル発表会に向けて練習も始まっていました。
各チームの良さが発揮された発表会になるのですが、それはもうちょっと先の記事になりそうですね。

次回は「コンサートマスター」についてのお話などを書く予定です。
お楽しみに~

早くサマルできる日がきて、メラキな音楽を作りたいですね!

 

 

~おまけ~

「わび・さび」
意味:生と死の自然のサイクルを受け入れ、不完全さの中にある美を見出すこと
(『翻訳できない世界のことば』より)

うーん、深い・・・
やっぱり日本語が一番難しいんじゃ・・・